2019年9月8日
スタジオ ピオティータにて
la Scoperta =「発見」をテーマに、単に日頃の練習の成果を発表する場というのにとどまらず、演奏者はもちろん、生徒の親御様や聴きに来た方全員が、何か新たな「発見」を一つでも見つけられるような会にしたい。
そんな想いで、取り組んだ発表会でした。
席数30席の小さな会でしたが、私個人で開いた初めての発表会の様子をお楽しみくださいませ。
初めての発表会は嵐だった!?
私だけびしょ濡れ……
当日はなんと、深夜に台風が上陸する日でした。
準備のため、早めに家を出た時には、十分晴れていたのですが、最寄り駅から会場までの徒歩10分くらい、台風接近に伴う土砂降りにあいました。
やれやれ……
びしょぬれの荷物からプログラムを救出……なんとか無事、濡れていませんでした。幸い、生徒の皆様は何事もなく会場入りできた様子。
プログラム
せっかく個人で開くのだから、どこにでもあるような発表会にはしたくないと考えまして、生徒たちには事前に「今回演奏する曲について調べてみましょう」と、プログラムに載せる楽曲解説文を考えてもらいました。
小学生の生徒が多数を占めますから、夏休みの宿題もあるだろうし、難しく考えずに何を書いてもいい、ということにしましたが、中にはたいへん良く調べたものもあり。
少し紹介してみます。
ブルグミュラー作曲:バラード
ブルグミュラーは1806年〜1874年ドイツのレーゲンスブルクで生まれた作曲家で、1832年以降はパリを中心に活躍しました。1851年頃に作曲されたこの「バラード」は馬が走ったり、次に何が起こるかわからないイメージがあります。強弱を工夫してミステリアスに弾きたいと思います。(小学4年生)
クレメンティ作曲:ソナチネop36-6
ブルグミュラー作曲:舟歌ソナチネop36-6は、1700年代後半に活躍した古典派のクレメンティの作品です。この時代は、貴族のために作られた曲が多いので、私は貴族の前で演奏するような気持ちで弾きたいです。
舟歌は、1800年代に活躍したロマン派のブルグミュラーの作品です。1800年代というのは、一般家庭で音楽を楽しむようになり、庶民の気持ちに寄り添った曲が多くなっていった時代です。当時の舟をこぐ船頭さんの様子などが伝わるように弾きたいです。(小学5年生)
楽曲解説
曲の合間にいちいち解説するのは、余計に緊張させてしまうかなぁと、なかなか悩みましたが、実験も兼ねて、ちょっとやってみよう。
ということで
生徒が弾く曲について、書いてもらった楽曲解説文を私なりに補足しながら、作曲者や楽曲について、こんな面白いところがあるんですよ~というノリで、いろいろお話をしてみました。
作曲家目線でちょっと難しい話もしましたが、これは、生徒だけではなく、親御様にも興味を持っていただけたらと思ったからです。
と言うのは、あくまで私の考えですが、親御様が音楽を好きでいると、やはりお子様も音楽が好きになることが多いと感じています。
親御様にはぜひ音楽に関心を持っていただきたいと、日頃からレッスンでもよく音楽のお話をするようにしているのですが、生徒の親御様の中には、子供にはピアノをさせているけれど、ご自身は音楽をあまり知らないという方もいらっしゃいます。
ぜひそういった方に、音楽の楽しみ方を知っていただきたい。
そんな考えから、あえて楽曲解説することにしました。
なにが大変だったって、楽曲の解説をするわけですから、私自身の日頃の行い、つまり知識やら、音楽に向き合う姿勢が試されているというか……。
ここ数年、音楽史の勉強を改めてやっていて良かったと思います。
……まだまだ足らん(^^;;
メンデルスゾーンの狩の歌
いちおうピアノの先生ですから、こういう会だし、私もなにか弾かないとならんかなぁと。
メンデルスゾーンの無言歌集3番op.19-3 (1832年)
生徒の何人かは、あと数年もすれば中学生になります。
私がこの曲を初めて弾いたのは中学の時だったので、あと何年かして、生徒たちの誰かが弾くようになってくれたら嬉しいなぁという想いで選曲しました。
終演後
今回の発表会で一番やりたかったこと。
それは、終演後に、会場のスタインウェイピアノを、時間の許す限りたくさん弾こう!という企画。
東京という土地柄もあり、中には電子ピアノで頑張っている生徒も多数います。そういう生徒にこそ、本物のピアノにたくさん触ってほしい。
本番で弾いた曲をもう一度弾いてもいいし、いま練習している曲でも、ピアノを弾いたことがないお父様、お母様も、座るだけでもどーぞ!という感じで、ピアノで遊ぶという時間です。
最後に
新たな「発見」をテーマに催した今回の発表会。
楽曲解説や終演後の企画は、個人での発表会ならではの面白さがありましたが、やはり発表会は生徒一人ひとりが、成長する場なのだなぁと改めて思いました。
その後のレッスンで、ある生徒は挨拶がちゃんと出来るようになったり、またある生徒はもっと難しい楽曲に取り組んだり……
私は今回、そんな生徒の成長を「発見」しました。
生徒や、お越しいただいた皆様も、なにか「発見」につながっていれば幸いです。
改めまして、ご参加頂いた生徒様、親御様、会場のスタッフ様、お手伝いくださった皆様に感謝申し上げます。
2019.10.Tokyo.
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