ピアノの日々のメンテナンスあれこれ

東京圏内〜近郊に出張でピアノレッスンをしていますので、生徒の家にあるピアノでレッスンするのですが、東京ではやはり電子ピアノが主流です。

ピアノの先生としては、ちゃんとしたピアノで練習してほしいところですが

そんな中でも、本物のピアノを持ち合わせている生徒が何人かおりまして、時々メンテナンスのことについて尋ねられます。

今日はそんな、日々のメンテナンスについてのお話です。

買ったばかりなのにすぐ音が変になった!?

弦を張っているので時々調弦が必要です。

ピアノでは「調律」と言います。

弦楽器をされている方はご存知かと思いますが、ヴァイオリンやチェロ、ギターなど、私の場合はヴィオラの弦を張り替えて音が安定するまでに、だいたい1週間から10日前後かかるのです。

理由の1つに「弦が新しすぎて伸びてしまう」ということがありまして。

ピアノにも同様に、ものすごい力で引っ張られていますので、やはり伸びてしまうようです。

調律が安定してくるまでに2~3年とも4~5年とも言われます。

買ったばかりのピアノは音が狂うものと認識し、特にたくさん弾く方は、最初は短い周期で(1ヶ月~3ヶ月くらいでしょうか)調律したいところです。

調律のタイミングは?

1年に1回、調律師さんに来て頂くのが目安です。

梅雨時期を避けたほうがいいのかな?と思っていたこともありましましたが、時期はそんなに関係ないようです。

また、東京のような雪の少ない地域だと数年に1度でも、私の実家がある北海道の調律師さんの話だと「北海道は雪も降るし、最低でも年に1回は調律させてほしい」とのことです。

調律師さんから「そろそろ調律しませんか?」と案内をしてくれる方もいらっしゃいます。地域によっても差はあるとは思いますが、あまり弾いていなくてもメンテナンスも兼ねて、だいたい1年に1回くらい、時期を決めて行うのが良いようです。

弾かないと音を忘れてしまうピアノ

都市伝説と思われるかもしれませんが、楽器は音を鳴らしていないと、楽器が音を忘れて鳴らなくなってしまうというものです。

なかなか信憑性がないお話ですが、ギターを弾かれる私の友人が

「スピーカーの前に置いておくと楽器が音を吸収して、音が良く鳴る……気がするんだよね~」

と言っていたことがあります。

検証したわけではありませんが、おそらく、楽器を演奏すると、音の振動が木でできているところの継ぎ目や細胞に染み込み、楽器が音を鳴らす振動に慣れてくるといった感じのようです。

以前は子供がピアノを弾いていたけれど、大人になったら家のピアノは弾かなくなってしまった……そんな話も時々伺いますが、なにも曲を弾かなくても、適当にパラパラじゃんじゃんと弾いてあげた方が、やはりピアノは喜ぶようです。

ピアノの上に物を置いてはいけませんか?

いけません。
と、いちおうピアノの先生らしいことを言ってみましたが……

ピアノの上に物がたくさん

画像は友人のあるピアニストが日頃弾いているピアノです(笑)

ピアノの上にディスプレイまで……( ̄▽ ̄;)

彼女はオペラ伴奏(コレペティトゥーア)もなさるので、最近ディスプレイに指揮者を映して練習しているとか。

すごいね〜!

ピアノの上に物を置くのは、やはりヴァイオリンなどに布を巻き付けて弾いているようなもので、いいものではありません。

とは言え、家庭に置かれたピアノって素敵なインテリアで、ピアノの上に写真などを飾りたくなります。

グランドピアノに至っては大きいので、いろいろなものが置けます。

私もいけないなぁと思いつつ、ピアノの上は楽譜や、書きかけの曲、書類等々でごった返していて、ときどき上に置いた何かに音が反響し、ジリジリ鳴ったりして、仕方なくお掃除始めたり(^^;;

とまぁ私も含め、けっこうピアノの上はものを置いている方は多いと思いますが、調律をする際に天板を外したりしますので、調律師さんがいらっしゃる時、サッと片付けられるくらいにしておきましょう。

おわりに

東京では電子ピアノが「当たり前」になってきてはいますが、本物のピアノをお持ちの方は、誇りを持って一層音楽に励んで頂きたい限りです。

2019.6.Tokyo.

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