楽譜も電子化が進んでいますが、クラシック音楽の世界ではまだまだ紙の楽譜が主流です。
そんな、演奏会で使う紙の楽譜を作る上で、キンコーズ(Kinko’s)がとても便利です。気軽に利用できる印刷屋さんということで、利用する方も多いのではないでしょうか。
今回は、音楽家ならではの視点で、キンコーズで楽譜やリーフレット、プログラムを印刷をする時のポイントなどをお話いたします。
会員証を忘れずに!
キンコーズには会員証が存在します。
まだ持っていない場合でも、身分証などがあればその場で作ることができます。割引があったりとお得です。
私はよく家に忘れてしまうのですが、たとえ家に忘れてしまっても、名前を言うなどして何とかなります。
……が、お店のスタッフさんに迷惑をかけないためにも、会員証を持って出かけましょう。
時間との戦い
私だけかもしれませんが、プログラムやリーフレットの印刷をするときは、急いでいることが往々にしてあります。
そして、お店の混み具合によっては、想定していた以上の時間がかかってしまうこともあります。そのため、30分くらいあれば余裕だと思っていても、いざ印刷を始めてみると、みるみる時間がなくなっていきます。
スピーディーに印刷するための準備はしっかり行い、印刷作業は余裕をもって、多めに想定しておきましょう。
製本の見本を作って行く
複雑な製本の場合には、画像のような簡単な見本を持っていくとスムーズです。
小さなものでも良いと思いますので「このようなものを作りたい」と見本を見せれば、最適な方法を教えていただけます。
PDFデータのページ順
PDFデータのページは、通常下図のような形で、表紙など、1ページめから順に並んでいるかと思います。
ところが、最初の【製本の見本】で紹介したような『本』のような見開き製本をしたい場合、気を付けたいことがあります。
上図のような場合
背表紙→表紙→P1→P2
という順番で、左のページ順番から印刷していきますので、下記のようなPDFデータのページ順を変更する必要が出てきます。
もし、背表紙などが空白のページで、印刷の必要がない場合でも、PDFデータ上では空白の白いページを用意しなくてはなりません。
キンコーズでは印刷機からはPDFのページ入れ替えができないとのことです。
このため、あらかじめPDFデータを印刷順通りに設定をしておくことでスタッフさんの作業が減り、時間短縮にもつながります。
とは言っても、このようにページ順番を変えてしまうと見にくくなってしまい、後々面倒だという場合もあります。
私は、保存用や配布用で完成版のPDFデータを作ったら、キンコーズでの印刷用にもう一つ、別のPDFデータを作るようにしています。
キンコーズの不便なところ
便利に使えるキンコーズですが、私が感じている不便な点も少しご紹介しておきます。
フチなし対応ができない
キンコーズでPCをレンタルしてPDF印刷をする場合、フチなしが対応できないとのことです。
USBからのPDFデータ印刷
キンコーズでは、コンビニ同様、事前にPDFデータをUSBメディアに保存して、店内のコピー機で読み取り、自分で印刷する「セルフ印刷」というものが利用できます。
一番コストカットが可能な利用方法で、大量に印刷する時など便利ですが……
PDFデータのページサイズがバラバラだったりすると、コピー機が読み取れないとのことです。
お店でPCをレンタルして、PCから印刷をすることでページサイズを合わせることもできますが、せっかくコストカットできるところ、PCレンタル料がかかってしまうのはもったいないですね。
事前にPDFデータを作る際、ページをA4サイズやB5サイズに整えてからキンコーズに持ち込むようにしましょう。
カラー印刷が高い
キンコーズは、ほとんどの場合、その場で印刷が仕上がるスピーディーさが売りですが、リーフレットやフライヤーなどの大量カラー印刷をする場合には、キンコーズはオススメしません。
先日、知り合いの演奏会に入れてもらう私の宣伝用リーフレットを、うっかり作り忘れてしまい、枚数100枚くらいでしたから、キンコーズで印刷してもらおうと持って行きましたら、10,000円弱かかってしまいました。
カラーのリーフレットやフライヤーなら、最近はインターネット上のいろいろなところでオンデマンド印刷を行っています。
価格は業者さんによってまちまちですが、1000枚=¥5000くらいから行なっている所もあり、なかなか魅力的です。
納品が完了するまで数日〜1週間程度かかるのですが、オンデマンド印刷を利用することで費用が大幅に抑えられます。
おわりに
最後に要点をまとめます。
- 白黒印刷ならキンコーズへ!
- 会員証を忘れずに!
- 時間に余裕を持って印刷作業をしましょう。
- 難しい製本をする際は見本やPDFデータの下準備を
- 大量のカラー印刷は他のオンデマンド業者さんも検討しましょう
楽譜印刷だけに留まらず、使い方次第で演奏会プログラム、レッスン資料など、様々な用途に利用できるキンコーズ(Kinko’s)
電子化が進む中ですが、日々、必要なサービスだと感じています。
当サイトのこと
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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クラシック音楽では、まだまだ紙の楽譜が主流ということで、印刷などキンコーズを利用する際の「ヒント」という形でお話しました。
ひとくちに楽譜印刷と言っても様々な方法、様式が存在します。もし、詳しい作業工程、ご質問などございましたら、コメントやメール、レッスンなどで、お気軽にご相談ください。
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2021.1.Tokyo.
作曲家/ピアノ講師
小林 樹(@hikarunoatorie)